ヒッグス粒子がダークマターと同じものであるという新理論

ダークマターについてまた復習したい。
謎の2粒子は正体同じ!?阪大教授が新宇宙理論 : ニュース : 宇宙 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


ノーベル賞を受賞した南部陽一郎博士の理論からその存在が予測されたヒッグス粒子が、宇宙を満たす謎の暗黒物質ダークマター)と同じものであるという新理論を、大阪大の細谷裕教授がまとめた。

 “二つの粒子”は、物理学の最重要テーマで、世界中で発見を競っている。暗黒物質は安定していて壊れないが、ヒッグスは現在の「標準理論」ではすぐに壊れるとされており、新理論はこれまでの定説を覆す。証明されれば宇宙は私たちの感覚を超えて5次元以上あることになり、宇宙観を大きく変える。

 ヒッグスは、質量の起源とされ、普段は姿を現さないが、他の粒子の動きを妨げることで、質量が生まれるとされる。一方、衛星の観測などから宇宙は、光を出さず安定した暗黒物質で満ちていると予想されている。細谷教授は、宇宙が時間と空間の4次元ではなく、5次元以上であると考え、様々な粒子が力を及ぼしあう理論を考えた。その結果「ヒッグスは崩壊せず、電荷を持たない安定した存在」となった。

 欧州にある世界最大の加速器(LHC)では最大の課題としてヒッグスの検出実験が行われる。ヒッグスが不安定なら、崩壊時に観測が可能だが、細谷理論のように安定だと観測できない。ただ、新たな実験手法で検証は可能という。

「ヒッグス粒子」と「ダークマター」は同じもの?新宇宙理論誕生! - アイラブサイエンス

ヒッグス場とヒッグス粒子 ヒッグス粒子とはヒッグス場を 説明するために考え出された。ヒッグス場とは、1964年にエディンバラ大学のピーター・ウェア・ヒッグスによって提唱された、素粒子の質量獲得に関する 理論に現れる場についての仮説である。ヒッグス場によって質量を獲得するメカニズムをヒッグス機構と呼ぶ。

 ヒッグス機構では、宇宙の初期の状態においてはすべての素粒子は自由に動きまわることができ質量がなかったが、自発的対称性の破れが生じて真空に 相転移が起こり、真空にヒッグス場の真空期待値が生じることによってほとんどの素粒子がそれに当たって抵抗を受けることになったとする。

 これが素粒子の動きにくさ、すなわち質量となる。質量の大きさとは宇宙全体に広がったヒッグス場と物質との相互作用の強さであり、ヒッグス場というプールの中に物質が沈んでいるから質量を獲得できると見なすのである。

 ヒッグス粒子加速器LHC 光子はヒッグス場からの抵抗を受けないため相転移後の宇宙でも自由に動きまわることができ質量がゼロであると考える。では、ヒッグス場は本当に存在するのだろうか?

 電磁場が存在すれば光子があるように、ヒッグズ場が存在すればヒッグス粒子が最低1種類あるはず。ヒッグス粒子の性質は理論でよく予言されているので、どのような方法で発見するかはわかっている。

 これまでの実験でまだ発見されていないので、ヒッグス粒子は114 GeV より重いはず。理論の予言もまた間接的実験結果も、ヒッグス粒子は 1000 GeV (1兆電子ボルト)より低い領域に存在すると強く示唆している。

 とくに 200 GeV より低い事がかなりの程度の確率で示唆されている。このエネルギー領域には次世代の加速器LHC(スイスで建設中、2007年完成予定)やILC(計画中)で到達できるので、ここ10年以内にヒッグス粒子は発見される可能性が非常に高い。