Akamaiサーバ情報

大変興味深いレポート。
おそらくはそれさえも平凡な日々: Akamaiが想像以上に鬼畜だった件 in Akamai勉強会

独自のデータセンターやネットワークを持っている訳ではない!

これは皆驚いていました。ISPAkamaiのEdgeサーバーを置いて、それらを連携させることによってサービスを実現している。今や世界の半数以上のISPに総計4万台のサーバーを置いているのだそうだ。でもたった4万台。これも驚き。

つまりAkamaiISPに間借りしているわけだけど、ISPからしてみても、Akamaiのサーバーを置く事にはかなりのメリットがあって置き たがる。Akamaiサーバーが外部コンテンツのキャッシュやネットワークのルーティングの制御をしてくれることによって、外部とのトラフィック(=通信 費)を抑えることができるから。ISPは隣接しているISPとの通信状況しか分からないわけだけど、Akamaiサーバーは全世界のネットワークの状況が 分かる訳なので、最適な経路が瞬時に導き出せるようになっている。

Akamaiサーバーの状況は、20秒毎に更新され把握出来るようになっていて、冗長化も遠隔管理体制もばっちり。多少落ちても痛くも痒くも無 い。リモートでOSをインストール(!)出来るようになっていて、必要なときは一部Windows機に切り替えたりもするみたい。仮想化は検討中だがまだ やっていないとのこと。

ビジネス特許>>>(越えられない壁)>>>独禁法

これはホントひどい話で、Akamaiは技術特許のほかにビジネス特許も持っており、これは「その技術で何が出来るか」というところまでが範囲になった特許なのだそうです。

つまり、独占禁止法でいちゃもんつけてきた競合他社をビジネス特許侵害で返り討ちにしてフルボッコに出来るくらい強力なものらしい。ありえん。

Akamaiが裏で独占的な支配を続けていられるのにはそういう理由があったのです。そうやって、秘密結社Akamaiの支配は続いていくのです。

動的コンテンツもキャッシュ出来る!

これもやばい話。顧客企業が秘密鍵情報を預けていれば、AkamaiサーバーでSSLの中身を見られるらしい。Cookieの中身も開けるらしいの で、やりようによっては結構やりたい放題。その辺の情報を使って、実サーバと情報をやり取りして、動的コンテンツもキャッシュしたり出来るそうだ。

ショッピングサイトなんかが混み合っているときに、これまでの行動履歴から購入意欲の少なそうだと判断した人はAkamaiサーバーのエラーメッ セージで止めてしまって、購入意欲の有りそうな人に優先的に実サーバーへのアクセスを割り振るなんてことも平気でやっているみたい。

Akamaiのサーバーが攻撃されても、もともとISPAkamaiサーバーを置く際に、そのISP自体のトラフィック許容量よりも高い許容力をサー バーに持たせるので、Akamaiサーバーが落ちるよりも早くISPが落ちる(笑) もちろんそんなことになる前に攻撃を弾いたり他のサーバーに流したりとかやりようはいくらでもある。いわば、全世界に40,000台のファイアウォールが あるようなもの。