ダークマターとダークエネルギーが気になる

ビッグバン - Wikipedia

ビッグバンが提唱されて以来、この理論にはいくつもの問題が持ち上がってきた。これらの問題のうちのいくつかは今日では主に歴史的興味の対象であり、理論を修正したりより質の良い観測データが得られたことで解決されてきた。それ以外の問題、例えば尖ったハローの問題 (cuspy halo problem) や矮小銀河問題、冷たいダークマターといった問題については、理論を改良することで対処できるため、致命的な問題とは考えられていない。

ダークマター

1970年代から1980年代にかけて、様々な観測(特に銀河の回転曲線の観測)から、宇宙には銀河内や銀河間に働く重力の強さを十分説明できるだけの「目に見える」(電磁波を放出・吸収・散乱する)質量が存在しないことが明らかになった。このことから、宇宙に存在する物質の90%は通常の、つまりバリオンからなる物質ではなく、ダークマターであるという考え方が出てきた。これに加えて、宇宙の質量のほとんどが通常の物質であると仮定すると、観測と強く矛盾するような帰結が得られることも分かってきた。具体的には、もしダークマターが存在しないとすると、宇宙には銀河や銀河団などの高密度の構造がこれほど大きく成長しなかったはずであり、また重水素の量が今よりはるかに多く作られたはずである。ダークマター仮説は当初は議論を呼んだが、現在では CMB の非等方性や銀河団速度分散、大規模構造の分布などの観測や、重力レンズの研究、銀河団からのX線の測定などを通じて、標準的宇宙論の一部として広く受け入れられている。ダークマターは重力的な痕跡を通じてしか検出されておらず、ダークマターに当てはまるような粒子は実験室ではまだ見つかっていない。しかし素粒子物理学からはダークマターの候補が数多く挙がっており、これらを検出するプロジェクトがいくつか進んでいる。

ダークエネルギー

1990年代に宇宙の質量密度の詳細な測定が行なわれると、宇宙のエネルギー密度全体に占める質量の割合は臨界密度の約30%であることが明らかになった。宇宙背景放射の観測が示すように我々の宇宙は平坦なので、残り70%のエネルギー密度が説明されないまま残されていることになる。現在、この謎はもう一つ別の謎と結び付いているように見える。それは、Ia型超新星の複数の独立した観測から、宇宙膨張が厳密なハッブルの法則に従っているのではなく、非線形な加速をしていることが示されているという点である。この加速を説明するためには、宇宙の大部分が大きな負の圧力を持つ成分からなっていることが一般相対論から要請される。このダークエネルギーがエネルギー密度の残り70%を担っていると現在考えられている。ダークエネルギーの正体はビッグバン理論の大きな謎の一つとして残されている。考えられる候補としてはスカラー宇宙定数クインテセンスなどがある。この正体を理解するための観測が現在続けられている。

冷たい暗黒物質、尖ったハローの問題および矮小銀河問題については、wiki-enのほうに記載があるので、 英語ブログにまとめてみた。

 Cold dark matter, Cuspy halo problem, and the Dwarf galaxy problem | Prosumer News